本と劇場とひとやすみ。

観劇と読書と日常のことをつらつらと。

【観劇】玉造小劇店『眠らぬ月の下僕』18/06/29


f:id:yasumimayo:20180716211430j:image

 

 

 こんにちは、やすみです。

 6月の末頃に玉造小劇店の『眠らぬ月の下僕』を観劇しましたので、ちょっと間が空きましたが、感想を記録しておこうと思います。

 今回からは感想のみ書いていこうかな、と思っています。書きやすいブログの書き方を模索中です(笑)

 

 あらすじはこちらのリンクから↓

 眠らぬ月の下僕 | 玉造小劇店

 

 

 

 舞台は太平洋戦争、満州開拓のため日本からたくさんの人が送られた頃。

 私の出身地は戦時中にすさまじい被害を受けた土地だったので、小さい頃から戦争のことはよくよく聞かされていました。

 他の地域の人たちよりは戦争に詳しいかな、と思っていたのですが、ダメですね……。

 やっぱりまだまだ勉強不足で、今回この『眠らぬ月の下僕』という舞台を観劇して、改めて戦争について学ぶ必要がある、と感じました。

 

 主人公の喜久雄が西に流される運命に翻弄され、なんとか日本に戻ってきた際に判明する縁には思わず涙が……。

 それにしても喜久雄、ずっと流されてばかりで(笑)

 東ドイツにいた頃の喜久雄はあんなにしっかりしているように見えたのに、日本に戻ってきたら東ドイツに来る前の、ちょっと頼りない感じの態度に戻り、「ずっと気を張っていたんだな」とじんわり胸が痛みました。

 しかし、マルレーネとアンナのことは心の底から愛していたのだとわかるラスト、あれは泣かせにきてるとしか思えない……。

 

 日本が敗戦して、満州に日本人が取り残された場面。

 追い詰められた喜久雄たちが子どもたちを殺して自決しよう、とするところは、心臓がぎゅっと痛みました。

 何に代えてでも守りたいはずの我が子を殺す母親たち。可愛がっていた子どもを殺してしまった喜久雄。

 あんなことが実際に起きたのだと思うと……今この平和を大事にしなければならないのだと、改めて思い知らされます。

 ひとり生き残ってしまった喜久雄は、どれほど苦しく絶望したのか、想像もできません。

 

 喜久雄を演じていらしたうえだひろしさんの演技は圧巻でした。

 少年から老人になるまで、一人の男の一生をひとつの舞台の上で演じていく……。

 それもごくごく自然に! 時間の流れをあれほど感じられた舞台は初めてて、本当に驚きました。

 若々しい中学生から、おじいちゃんまで。上演中もずっと「すごい、すごい!」と心の中で大興奮でした(笑)

 

 また、全部で120人ほどの登場人物をたった15人で演じていたそうです!

 信じられませんよね。演じ分けももちろんですが、裏でどんな動きをすれば少人数でそれだけの多さを分けられるのか……。

 本当に役者さんたちのすごさを感じました。

 

 戦時中のお話となると、とっつきにくい印象がありました。

 どうしてもあの時代は暗くて、残酷で、重たくて……というイメージがあり、なかなか観るのに勇気がいる感じがします。

 それでもこの舞台は、会話のテンポの良さや、節々に含まれた笑える要素、それも自然な笑いに、確かに苦しいシーンはありましたが全体的にはとてもわかりやすい舞台でした。

 

 普段あまりストレートプレイは観劇の機会がなく、また、ついつい大きな舞台に行ってしまいがちですが、こういう舞台の素晴らしさを体感できて良かったです。

 いろんなものを観てみたい! また観たい! と強く思いました。

 生の舞台をたくさん観て、勉強していきたいです。

 

 

 あと、ここからは私の個人的なつらい思い出なのですが……。

 昔、よく戦争や反戦について取り上げる授業を受けていたのですが、そのとき友人に「こういう平和洗脳大嫌い」と言われまして。

 それが本当に苦しかったのを、今回思い出しました。

 

 平和の大切さや、反戦を訴えて、何がいけないのでしょう。

 私は右でも左でもないつもりですが、これだけはそんなこと関係なく、戦争はいけないとしつこく言い続けるべきだと思っています。

 

 祖父母の世代でも、戦争を直接経験していないほど、太平洋戦争から時間が流れてしまっています。

 それでも地球上から戦争はなくなっていません。

 こういった舞台などで知らない戦争を「生きた状態」で観るのは、とても良い勉強になりました。

 改めて、事実、歴史を知るべきだと、思えました。

 

『眠らぬ月の下僕』、本当に素晴らしい舞台でした!

 

 

 

 

玉造小劇店 | 玉造小劇店はお芝居を提供するお店です。

 

 

 

 

 

 

やすみ